地震からブロック塀を守るためのブロック塀診断士の仕事

昨今では地震によるブロック塀の倒壊で、尊い命が亡くなる大変悲しい事故が起こったことをご存知のことでしょう。

あなたの身の回りでもひびの入ったブロックの壁や、目で見てわかるほど倒れている塀を見かけたことがあるはずです。

これらは、正しい施工方法を知らない悪徳な業者の工事や利益優先の粗悪な作業によるものがほとんどです。

このような最悪のケースを防ぐために、ブロック塀の専門的な知識を持った人たちがブロックの診断を行って粗悪な塀を見つけ、再度工事のし直しまですることができる資格「ブロック診断士」という資格があります。この資格制度は、平成7年10月「建築物の耐震改修の促進に関する法律」(法律123号)に制定されて誕生したものです。

この項では、知識を持たない業者が行ったため起こったブロック塀の事故例やそれを防ぐための「ブロック塀診断士」の資格について説明していきます。

これらを読むことで、あなたの身近なブロック塀の危険性であったり、どのような方に安全であるかを確認してもらえば良いかを知ることができます。

もくじ

1.ブロック倒壊による事故例

https://www2.ctv.co.jp/news/2018/06/20/12015/より引用

あなたの身の回りに、今にも倒れそうなブロック塀はありませんか?

倒壊しないまでも、ひびが入り素人目でも危険な壁がきっとあることでしょう。

これらは、安全基準に明らかに達していないにも関わらず、「業者による点検には費用が多く発生してしまう」、「今までも倒れなかったのだから大丈夫だろう」などの安易な理由により、大変危険な状態で放置されているのが現状です。

上記写真のように、地震で倒れてしまうような正しい施工をしていない物は、簡単に崩れてしまったり、又倒れてしまったりする可能性があります。そして、残念ながら人を巻き込んでしまったい、尊い命を奪ってしまった最悪な事故もあるのが現状です。

この項ではその事例を紹介します。

1-1.大阪北部地震

大阪の小学校のブロック塀が倒壊し登校中の女児(9)が亡くなってしまうという事故が発生してしまいました。

塀は基礎部分が約1.9メートルあり、さらにその上にブロック部分が8段で約1.6メートルの合計約3.5メートルが積み上げられていました。

これは建築基準法の高さ制限2.2メートルを1.3メートルも超えており大変危険な高さに積み上げられていたにもかかわらず、高さ1.2メートル超に必要な「控え壁」もなかったというから驚きです。

さらには、業者による3年に一度の点検も行わず、外部の防災アドバイザーからの危険性の注意喚起も市は、「安全性に問題はない」として対策は全くしなかったというので起こりべくして起きてしまった事例かもしれません。

これは、ブロック塀を「差し筋」と呼ばれる簡易アンカーで、数段積んでしまったがために起きた大変悲しい事故でした。

1-2.熊本地震

平成28年に起きた熊本地震で、ブロック塀の下敷きとなり29歳の男性が亡くなるという事件があり、塀を所有する男性らに慰謝料含む計約6800万もの賠償額を求め、熊本裁判に起訴した有名な事故です。

熊本地震の前震が起きた一昨年に、自宅の境界付近に高さ2メートルの塀を設置してあり、それが崩落してしまい圧死、同僚の女性も足を粉砕骨折という重症を負ってしまいました。ブロック塀の持ち主は、「塀の強度を確保しておらず、基礎工事もしていない」として遺族らに過失致死容疑で熊本県警に告訴されています。

これも「大阪北部地震の事故」同様に、ブロック塀に関する当たり前の知識がなかったポイントが浮き彫りになりました。

コンクリート製品は、比重が大きく倒れてしまえば想像を絶する破壊力で物や人を圧します。古いひびの入ったブロック塀は、大変危険であり、点検整備しなくてはあなたも加害者になりかねません。

2.ブロック塀診断士の仕事内容

前項のようなことを未然に防ぐのが、ブロック塀診断士の仕事です。

では、どのような仕事や専門的な知識を用いて点検をしているのか説明していきます。

2-1.ブロック塀診断士の専門性

ブロック診断士は、地震などの際に塀が倒壊の恐れがあるかどうかを判断する仕事です。地域の安全保持や地震などの二次災害を防いだり、住宅リフォームなどの際に既設の塀を調査したりもします。

また、ブロック塀診断士のみを取得することはできず、建築士やエクステリアプランナーなどの建築に携わる他の資格がなくては受講資格がありません。

そのため、専門性に優れているのが特徴です。

このブロック診断には資格が必要で、5年に1度更新も必要という義務もあり地方自治や行政などと密接な連携のもと、ブロック塀の危険個所をそれぞれ指導を行っております。

設置してから年月が経過してしまったブロック塀は、見た目は正常のものとほとんど変わりませんが、塀内部の鉄筋の錆やセメントの劣化などで強度が大幅に落ちていることが多く倒壊の危険です。

ブロック塀診断士には、素人では分からない内部の部分までブロックの状況を把握することができます。ではどのように診断するのでしょうか。次項にて説明していきます。

2-2.ブロック塀の診断方法

診断方法は、まず目視でブロック塀の高さが規定を超えたりしていないか、塀の厚さは十分か、控え壁があるか基礎があるかどうか、老朽化していたりひび割れなどをしていないかを見ていきます。

もし、補強コンクリートブロック造で目視での問題があった場合は補修工事の方針を決めるためにブロックを一部取り外して調査をしていきます。

内部のモルタルの補充は規定に従っているか、鉄筋のピッチ内部の調モルタルの補充は規定に従っているか、鉄筋のピッチは800mm以内に設置されているか等を調べていきます。

これらを含む、20以上もの項目を経て、あなたのブロック塀が安全であるかを判断していくのです。

検査により、補強が必要なのか取り壊さなくてはいけないのかを審査します。

これは、検査員の判断に委ねれらますので、信頼のおける外構工事専門業者(エクステリア会社)に依頼するようにしましょう。

まとめ

本記事では、ブロック塀診断士とブロック塀の危険性について紹介しました。

ブロック塀の調査においては、崩れないか・また倒れそうな場合は補修工事を強くお勧めします。

塀は、町中にはたくさんあり住宅街や商店街など様々なところに存在しており、中には危ないブロックの壁もあるかもしれません。

もしブロック塀の点検などを怠った際は、重大な事故につながりかねます。

そのような事故を防ぐために点検を行ってはいかがでしょうか?

検査には、必ずお近くの「ブロック塀診断士」が在籍している外構専門業者に相談するようにしてください。

無資格者では、専門性に欠けるばかりではなく、間違った情報をもとに判断してしまう危険性があり大変危険です。

しかしながら、ブロック塀のプロに相談することにより、確かな安全を確保することができるでしょう。

そして、目で見てわかるような危ないブロック塀には、自分の身を守るためにも災害時などには近づかないなどしましょう。

 

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