昨今、地震等で古いブロックが倒壊してしまったり、傾いてしまったりすることを良く目や耳にします。
ブロック塀は、1㎡(平米)当たり200~300kgもある重量物であり、もし倒れて人や家に接触した場合、大怪我をしてしまったり建物に重大なダメージを与えてしまったりしてしまうのです。
プライバシーのために、高い塀を設置したとしても強度がなくては意味がありません。それどころか、危険な重量物となってしまいます。
上記写真のようになってしまっては手遅れです。
見栄えが劣るばかりでなく、人が寄りかかるだけでぐらついてしまい震度4程度の地震にも耐える事はできないでしょう。
このようなことにならないためにも、老朽化したブロック塀は「壊す」「補強する」「作り直す」のいずれか行う必要があります。
そこで気になるポイントは、やはり費用だと思います。
本記事では、ブロック塀の解体・撤去に伴う工事金額を解説していきます。
もくじ
1.ブロックの解体はどのような業者に依頼すれば良いのか
ブロックを壊したいと考えたとき、どのような会社へ依頼するのが良いのでしょうか。
例えば、総合建設会社や解体業者、さらにはエクステリア業者(外構専門会社)などさまざまな会社があります。
1-1.工事の規模に合わせた業者選び
上記図を見ると、大手の会社になればなるほどマージン料金を多く搾取されてしまうことが一目瞭然です。
家屋解体と同時に行うブロック塀の撤去工事であれば、大手の工務店の方が工事全体を考慮して作業を行うため安心です。しかしながら、ブロック塀のみの解体工事の場合、多くの経費がかさみすぎてしまい費用負担が大きくなってしまう危険性があります。
このことから、工事の規模に合わせた業者選びが大切ということが理解できたでしょう。
1-2.見積書の内容を確認する
上記図のように、同じ金額の見積書でも内容が異なることがあります。
これは、非常に重要なポイントとなります。
良い例(上記図右側)では、作業ごとに金額が提示されているので工事内容が鮮明です。
しかし悪い例(上記図右側)では、「一式」ですべてくくられているため作業内容が分からず大変危険です。
例えば、「ブロックの解体工事と一緒に、撤去してくれると思っていた植木の処分は別途料金と言われた」、「ブロックを壊すために土間コンクリートを解体したが、元に戻すのは追加料金が発生すると言われた」などトラブルが絶えません。
このようなことにならないためにも、細かな作業項目が明示してある御見積書を作成する優良業者に工事を依頼するようにしましょう。
2.解体手順とともに費用解説
ブロックの解体順序は、業者によりさまざまですが、弊社の施工例をもとに紹介します。
これにより、作業内容が詳しく理解できることでしょう。
2-1.近隣挨拶
御契約後、作業に取り掛かる前にまずは近隣のお宅にご挨拶に伺います。
解体作業では、大きな作業音が出る機械を使用するからです。
また、作業に伴う粉塵(ほこり)の発生や作業車の出入りに際するご迷惑を先に説明します。
これにより、近隣の方とのトラブルを未然に防ぐことができるのです。
ここでの金額は、御見積書の「経費」という区分に当たります。おおよそ工事金額の全体の3%~10%程度です。
2-2.マーキング・コンクリートカッター入れ
構造物を壊す前に、解体せずに残しておく箇所との境目に、上記写真のように切れ目を入れます。
これにより、余分に壊すことなく綺麗に取り壊すことができるのです。
粗悪な業者の場合、これをせずに解体作業に取り掛かるため、残す箇所の境目がグタグタになることがありますので注意が必要です。
コンクリートカッター作業の費用は、長さにより単価の変動が大きいですが、1m当たり1500円~4000円程度の金額が発生します。
2-3.解体作業
ここまでの工程を経て、ようやく解体作業に取り掛かります。
ブロック塀を壊す際は、上記写真右側のようなブレーカーと呼ばれる斫り(はつり)道具を使用します。
これは、コンプレッサーと呼ばれる高圧エアー機械より送られる空気の圧力を利用して、先端の器具でコンクリートを破砕していく道具です。
粉塵やコンクリートの飛散を防ぐために、他の作業員が水を撒いたり板で飛散防止措置をとったりします。そのため、小規模工事であっても作業人員が1人では困難な可能性があるのです。
粗悪な業者は、人員を削り作業を行いますが、近隣の方の迷惑になってしまいトラブルの大きな原因となる危険性があります。
解体作業の金額は、1㎡(平米)当たり4000円~8000円程度です。これももちろん、工事の規模により変動があります。
また、使用する重機の使用や回送(かいそう:現地へと運搬すること)にも費用が発生します。
これは、大きさや日数により変動がありますが、約15000円以上掛かります。
2-4.コンクリートのガラ処分
解体したブロックのガラをトラックに積み込み、処分場へと運搬します。
このとき、プラント(処分場)では建設マニュフェストに従い処分されます。
昨今では、産業廃棄物の適切な処理を促す条令が、各都道府県で発令されています。そのため、コンクリートがらは、運搬・適正処理、さらには再資源化(リサイクル砕石となる)されているのです。
ガラの処分費の費用は、プラントの料金・距離などにより異なりますが、1㎥(立米)当たり4000円~8000円程度掛かります。
2-5.小口補修・清掃
最後に、小口補修(こぐちほしゅう)を行います。
この作業は、ブロック塀の壊さなかった箇所の端部をセメント補修することを指します。
これにより、ただ壊すだけでなく美観を施すことができるのです。
粗悪な業者は、解体のみで壊した端部はデコボコなまま終了してしまいますので注意してください。
ここまでの工程を経て、最後に清掃を行い作業終了となります。
小口補修の料金は、一式3000円~10000円程度です。
2-6.補助金について
ここまで、作業工程と共に金額を明示しましたが、「ブロック塀の解体工事」においてお住いの市町村により補助金が支給されるケースがあります。
もちろん、場所や工事内容によって補助金が支給されるケースがあったり、制限金額があったりするのでお近くの外構専門業者や市町村役場に相談してみてください。
まとめ
ここまでの解説を経て、正しいブロック塀の作業手順及び工事金額は、理解できたことでしょう。
ここで、12㎡のブロック塀を解体した際の御見積書を例を挙げて下記にまとめます。
ブロック塀の解体工事金額(12㎡:高さ1.2m・長さ10mとした際)
既存ブロックカッター入れ | 3 | m | 4,000 | 12,000 |
同上ガラ積込み・運搬・処分 | 1.8 | 立米 | 8,000 | 14,400 |
小口補修 | 1 | 式 | 8,000 | 8,000 |
重機回送費・使用費 | 1 | 式 | 25,000 | 25,000 |
一般経費 | 1 | 式 | 6,500 | 6,500 |
ブロック解体 | 12 | 平米 | 6,000 | 72,000 |
小計 | 137,900 | |||
消費税 | 11,032 | |||
合計 | 148,932 |
ここまで読み進めていただいたあなたには言うまでもありませんが、上記のような項目を明示した御見積書を提出する業者に依頼する事が大切です。
そして、「解体工事一式」とくくり作業内容を明かさない業者には注意が必要なのです。
ブロック塀は、コンクリート製の壁に比べて安価ですが、老朽化に伴いメンテナンスや作り直しすることが必要です。
ご自身で分からないようであれば、弊社にも在籍していますが、「ブロック塀診断士」の資格を持った方のいる外構専門業者(エクステリア会社)や解体業者に相談してみましょう。
弊社(MKプランニング)は、安全で安心な住まいづくりを応援致します。