土間コンクリートのひび割れを防ぐ鉄筋やワイヤーメッシュとは

ありとあらゆる建築の中でコンクリートは使用されています。

しかし、ただ単に生コンクリートを型に流し込んだだけでは、たちまちひび割れが入り崩壊してしまいます。

そこで、上記写真のようにコンクリートを強くするための措置が必要になるのです。

これは、生コンクリートの中に挿入するための鉄筋と呼ばれる、表面が凸凹の鉄の棒を組み込んだものです。これにより、コンクリートの強度を飛躍的に向上させることができるのです。

土木工事や建築工事など、様々な工事現場で使用される鉄筋ですが、本記事では、駐車場やお庭の土間コンクリートで使われる鉄筋にフォーカスして解説していきます。

もくじ

1.強いコンクリートとは

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冒頭でも述べた通り、コンクリート単体では強い強度を有しません。なぜなら、上記図のように圧縮に強く引っ張りに弱い性質を持っているからです。

弱いコンクリートは当然のことながらひび割れを起こしてしまいますし、最悪の場合、破断し陥没してしまいます。

そこで、必要になるのが鉄筋です。挿入することにより引っ張りに強くなり強固な「鉄筋コンクリート」になります。

このような知識は比較的広く知られていることと思います。

しかし、ただ単に「鉄筋を入れれば強くなる」「なるべく太い鉄筋を入れてほしい」などと考えてしまってはいけません。

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上記図のように、コンクリートの厚みによって適切な太さの鉄筋を挿入しなければなりません。

また、太い鉄筋を挿入する際は、コンクリートの厚みを増加させなければなりません。そうなると、その荷重を受けるために下地の砕石(さいせき:石を適度な大きさに砕いた砂混じりの砂利)を厚く敷き固めなくてはならない上に、深く地面を掘り下げて不要な土は処分しなければならないのです。

言うまでもありませんが、工事金額は数倍にも膨れ上がってしまい「オーバースペック」の土間コンクリートができてしまいます。

強いコンクリートには間違いありませんが、乗用車クラスの駐車場には必要ありません。このような強度の計算も、われわれ外構専門業者(エクステリア業者)は必然と行っています。

つまり、「コンクリートに対して、適切な鉄筋を適度な位置に配置する」ことが強いコンクリートを作る秘訣の一つなのです。

2.ワイヤーメッシュとは

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ワイヤーメッシュとは、上記写真のような網状の鉄筋を指します。これは、凸凹ではないただの鉄製の丸棒を10cm~15cmの間隔で繋ぎ合わせたものです。

太さは、3mm~6mm程度のものが一般的です。

人が歩くだけの通路では、コンクリートの厚さを6cm~8cmとするため、細いワイヤーメッシュを使用します。

一方、駐車場では、10cmの厚さで生コンクリートを流し込むため、6mmの太いワイヤーメッシュを採用するのです。

すでに網状になっている製品なので、現場での組み込みや加工が容易です。そのため、少ない人件費で作業を行うことができるため、結果として安価な費用で工事ができるのです。

強度面でも、細かなピッチにて鉄の棒が編み込まれているので、ひび割れ防止に大きな効果を発揮することができます。

このような理由から、住宅の外構工事では広く「ワイヤーメッシュ」が採用されています。

3.鉄筋とワイヤーメッシュの使い分け

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ここまでの説明で、「鉄筋」と「ワイヤーメッシュ」の特性が分かったことと思います。

では、これらをどのように使い分けるのでしょうか。

土間工事において、一般住宅の乗用車用駐車場では、ワイヤーメッシュの挿入のみで十分な強度を発揮できます。

ただし、地盤が軟弱であったりコンクリート上に大きな車(トラック)が乗ったりする場合、鉄筋への変更を考えなくてはなりません。

例えば、農家のお宅ではトラクターをトラックで運搬することがありますが、このときの車両の重量は、トラックの重量(2t)+トラクターの重量(2t)を合わせて4tにも及ぶことがあります。

4tともなると、中型トラックレベルの重さになってしまうため、乗用車用のコンクリートでは強度が心配です。

そこで、ワイヤーメッシュではなく鉄筋を使用し、土間コンクリートの厚さも従来の10cmではなく12cm~15cm程度の鉄筋コンクリートへと仕様を変更する必要が出てくるのです。

ただしこのような判断は、知識と経験を持った人でなければできないため、素人が独断で決めることはしないようにしましょう。

4.スペーサーブロック

spacer㈱アートスペース より引用

上記写真は、鉄筋やワイヤーメッシュを適切な高さに配置するためのブロックです。

樹脂製の物やコンクリート製品まで、様々な商品がありますが、どれも生コンクリートの中に入ってもなるべく強度を落とさないようにできています。

これらを使用せずに、生コンクリートの流し込み作業を行うと下記図のような問題が起こります。そのため、スペーサーブロックは鉄筋には必要不可欠な製品です。

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このようなリスクを防ぐためにも、コンクリート作業時には、スペーサーブロックを併用することがエクステリア業者の定めです。

まとめ

 

ここまでの解説で、土間コンクリートの強度を向上させて、ひび割れを防止するために挿入する鉄筋や、ワイヤーメッシュの役割が分かったはずです。

土間コンクリート工事で必要なことは、「下地を堅固にする」「挿入するワイヤーメッシュや鉄筋の適切な選定」「鉄筋との正しい生コンクリートのかぶり厚さの保持」です。これらの作業を怠らない業者は優良業者であると言えます。

ここでは、専門分野について多く触れましたが、大まかなポイントを掴むことで、お見積もりを見る時や打ち合わせの際に役立つことでしょう。

土間工事については、「外構工事についてのカテゴリ」にて、さらに多くの駐車場工事の情報を公開しています。

ぜひ、合わせ読みしてみてください。

そして、見栄えはもちろんのこと、耐久性や強度に優れた土間工事を優良業者に施工してもらいましょう。

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