あなたは土間コンクリートの打設を検討する際に、どのような利点をお考えですか?
駐車場に使用されるのがほとんどのケースですが、他の場所についても考えてみましょう。
雑草は、土が面する場所に生えてきやすい傾向があり、そのままだと雑草が生えてきて除草の手間になったり虫が大量に発生したりする原因となります。
そこで砂利を敷いた場合、防草シートを敷かなければ隙間から生えてきたり、安いシートを敷いた際は突き破ってしまったりして草との格闘の日々となってしまいます。
そんなお悩みを抱える方にオススメしたいのが「土間コンクリートの打設」です。
コンクリートで土の面する地面を覆ってしまうことで、雑草が生えてこなくなります。
そして、耐久性が高いので車などの荷重や高圧洗浄などの水圧にも耐えることが出来ます。
施工する場所は様々で、車の出入りの多い駐車スペースの他に、お手入れのしにくいウッドデッキの下などコンクリートを配置することで雑草が生えるのを防ぎ、お掃除の手間を省きます。
今回は土間工事を行うことで得られるメリットとデメリット、さらにはコンクリート工事について掘り下げて説明していきます。
もくじ
1.施工する目的を考える
あなたのお庭に土間コンクリートを打設することで、どのようなメリットが得られるのか、ここではその意味について考えていきます。
新築で家を建てた際に、外構(家の外部)に手を付けていない方のほとんどが、土のままの状態だと思います。
住まいのプランを立てるときに、地面の素材選びをするもとも重要なポイントです。
一般的に、「砂利敷き」「芝生」「コンクリート」が地面の素材に選ばれることが多いですが、砂利を広範囲で敷くことによって、水はけの悪い場所では雨が降った時に滑りやすくなり、歩きづらい上に靴や衣服などが泥や砂埃で汚れたりする恐れがあります。
駐車場を全面、砂利敷きにする場合は土やほこりが舞い上がることで車体を汚してしまう恐れがあります。
さらにベビーカーや車椅子などの細い車輪ではタイヤが埋まりやすく、移動がスムーズにいかないという負担もあります。
これらを防止するのが、土間コンクリートの打設となるのです。
1-1.土間コンクリートを施工しなかった際のデメリット
お庭を土のままにしていると外構工事の費用がかからないといったメリットがありますが、それ以上に大きなデメリットがあります。
よく目にするのが、雑草が生い茂り手入れの行き届いていないお庭です。
というのも草は土の面する場所に生えてきやすく、そのままのお庭ではあっという間に生えてしまうのです。
草の多い場所は虫が好む場所でもあり、夏であれば蚊などが多発する原因になります。
雨が降った日には泥となり、さらに最悪な事態になります。
その上を歩いたまま家の中に入れば、玄関ポーチも汚れますし家の中にまで汚れを持ち込むことになってしまうのです。
そして駐車スペースも泥の状態だと、タイヤがハマってしまう事態も考えられますし、跳ねた泥で車だけでなく外壁や基礎なども汚れてしまいます。
水はけが悪く、雨で土が道路に流れてご近所のご迷惑になってしまうケースも考えられます。
これらのことから、デメリットが多いことが容易に予想できます。
1-2.土間コンクリートを設置することのメリット
上記で述べたデメリットですが、コンクリートの設置で解決することが出来ます。
まず土間コンクリートの特徴は耐久性の高さが挙げられます。
車などの重量物の荷重にも耐えることが出来るので、場所を問わず設置することが可能です。
メンテナンスを頻繁にする必要が無く、長い間にわたって綺麗な状態を維持します。
土が露出した地面を完全に覆ってしまうので雑草対策にも非常に効果的で、コンクリートであれば雨の日も靴が汚れる心配が無く、玄関ポーチなど汚さず快適に過ごすことが出来ます。
また、土間は平らに施工することができるため、自転車やバイク、さらには車輪の小さいベビーカーや車椅子などの移動に負担がかかりません。
これらのことから、生活を送るうえでのメリットは大きいことが分かります。
1-3.駐車場をコンクリートにする意味
一見、違いがさほど無いように思える「コンクリート」と「アスファルト」ですが、ここではなぜアスファルトではなくコンクリートをオススメする理由を説明します。
公共の場などの駐車場では、アスファルトが使われているのをよく目にすると思います。
アスファルトはコンクリートと比べ費用が安いというイメージがありますが、一般戸建ての外構のような少ない面積だと逆に費用が高くついてしまう恐れがあるのです。
また、熱を溜め込む性質で出来ているので夏の暑い時期には60度を超える場合があるので火傷の恐れがあります。小さなお子様やペットのいるご家庭では避けたほうがよい素材であることが分かります。
高温の状態が続くと柔らかくなり変形することで地面に陥没ができてしまったり、タイヤの跡が付きやすくなるのです。
そしてデザイン性が無く、色や柄を変えることが出来ないのです。
その点コンクリートは耐久性が高く硬い素材なので変形することは無いと言っても良いでしょう。
アスファルトに比べて夏の時期も表面温度を抑えることが出来るので火傷の心配もありません。
コンクリートはデザインの幅も広く、色や柄、使用する目地などであなたの思うままにデザインができるので、外構の中でも広範囲で周りからの視線が入りやすく、住まいの印象を左右させる大事な空間の駐車場には土間コンクリートの設置がオススメなのです。
導入時の費用は土間工事もそれなりにかかってしまいますが、維持費がかからないという点で長い目で見れば納得のいく費用ではあります。
1-4.お庭に土間コンクリートを設置することで得られるメリット
前項では、コンクリートの駐車場でのメリットを理解いただけたと思いますが、お庭でも土間コンクリートはとても活躍します。
まず、あなたがウッドデッキを設置した時、デッキ下の地面にどの素材を選びますか?
「あまり見えない場所だから土のまま」「費用の抑えられる砂利」「雑草が心配だから防草シート」など様々ありますが、デッキ下だからといって侮ってはいけないのです。
まずは土のままと考えた場合、前述でも説明していますが、雑草は土の面する場所に生えてきやすいです。
雑草の生命力は恐ろしいもので、陽が当たらない場所であってもすぐに生い茂るのです。
そうなると、ウッドデッキの隙間から草が顔を出し、不格好な見た目になってしまいます。
また、草の多いところには必ずと言っていいほど虫が発生します。デッキ下のような狭くジメジメしているような場所には多くの虫が出る恐れがあります。デッキ下は除草作業も困難でしょう。
それらを長期に渡り防ぐためにも、土間コンクリートは大きな効力を発揮します。
そして砂利敷きと考えた場合ですが、土に比べると防草効果は期待できます。
しかしながら、砂利が猫砂に似ていることから、猫が好んで来てしまう恐れがあります。
そうなってしまうと、動物の住処になってしまい糞などの被害が考えられます。
次に防草シートと考えた場合、上記2つと比べて防草効果は期待できると思います。
ですが、シートがむき出しのままでは景観的には映えません。そして紫外線に弱いことで直射日光に当たると劣化が進むことも考えられます。
そこでデッキ下に土間コンクリートを設置した場合。
コンクリートは防草効果がとても高く、隙間などが無いことから雑草が生えることはほぼ無いでしょう。防草シートなどは破れてしまったところを補修する手間がありますが、コンクリートは耐久性があるので補修などのメンテナンスが不要です。草の無い場所なので虫の発生も防ぐことが出来ます。
そして平らな地面になるため掃除もしやすく、ちょっとした物置スペースにもなります。
2.施工する業者を選ぶ
業者選びは外構工事の仕上がりを左右させる重要なことです。
優良業者に依頼することで、丁寧な施工で綺麗な仕上がり、そして施工後の保証や手厚いアフターフォローで家の綺麗な状態を保つ重要な見極めポイントです。
ハウスメーカーでも依頼することが出来ますが、ハウスメーカー分の余計な利益まで上乗せされるので費用が高くつくことがあります。そして、依頼しても実際に施工するのは下請け業者に丸投げになることが多く、施工のレベルも疑問が残ってしまうことがあります。
その点、外構工事業者(エクステリア専門業者)に直接依頼すると、余計な費用などを省くことができ、費用を抑えることが出来ます。外構工事を専門としているので、施工のレベルも期待できます。
外構業者を探すとき、まずはインターネットで住まいの地域を検索してみましょう。
すると地元の業者やその地域を対象とする会社がヒットすると思います。気になった業者のホームページや施工事例を見て、あなたの思い描く雰囲気に合った外構工事業者を見つけましょう。
2-1.お見積りの提示方法で見分ける
「見積をした際にどのポイントで見極めれば良いのか」ここではそのポイントについて説明していきます。
外構業者を選ぶにあたって、まずは相見積もりをしましょう。(相見積もり=複数社に見積を依頼すること)
「他社との金額の差を知られたくない」という理由で業者の中には相見積もり(あいみつ)を嫌う会社も存在します。
ですが近頃は、相見積もりが一般的に行われているので、何社か気になる業者に問い合わせてみましょう。
そうすることで提案された工事内容や提示金額を比べながら一社に絞ることが出来ます。
詳しくは「外構工事を依頼する業者の選び方:相見積もりの重要性」をご覧ください。
そこで、見積りで提示された全体金額の高い安いで決めてしまうのではなく、内訳書に項目ごと詳しく記載されているか確認してみましょう。
内訳書をお客様に提示しない業者もなかにはいます。「外構工事一式 ○○万円」などという見積りを出す業者には注意が必要です。「一式」という書き方では、どのような工事が行われるのか、工事内容の個々の費用が明確ではありません。内訳を記載しないということは、費用を明かさずに隠しているのと同様なのです。
安いだけを売りにしている悪徳業者は重要な工程を省いた金額を提示している場合や、工事内容に入っていると思っていた工程をしてもらえずに後から要求すると、追加料金として請求されるといった最悪な事態が考えられます。
なので「内訳書を提示しない業者は依頼対象外」と考えるといいです。
2-2.プランの提案内容で考える
業者選びは、特徴をよく見極めることが大切です。
"外構業者"と一括りで言っても、会社それぞれ得意分野があります。あなたが希望する工事内容を得意とする業者を見極めましょう。
エクステリアのプランを立てる際に必要となってくるのが、パース図です。
パースとは簡単に言うと3Dの完成予想図で、知識の無い一般の方にもわかりやすい図面です。
このパース上での確認をせずに工事をした場合、完成後に「想像していた大きさと違う」「思っていたのと違う」というトラブルに繋がるのです。
そのような事態を防ぐためにも外構工事はパース図を確認してから依頼するようにしましょう。
そして「図面を見せていただけたら、A社と同じデザインでもっと安く引き受けます。」という業者は悪徳と考えていいです。
優良業者であればあなたの予算や要望を第一に考え、一からプランを立てます。他社の図面を要求して使いまわそうとしている業者は、設計費を浮かせているのです。
また、提案内容に納得がいかず断ったものの、「見積書の設計費」として請求してくる悪徳業者もいるので注意が必要です。
事前に聞かされていなければもちろん支払う義務はありません。
2-3.金額で考える
外構業者選びの際、費用について重要視すると思いますが、安さだけを基準にして業者を選んではいけません。
「どこよりも安くします」と謳っている業者は、技術力やデザイン性、アフターフォローに欠けていて安さだけでしか勝負が出来ないのです。金額は安くても単価から重要工程を省き、工事をしている恐れがあります。
その場合、見た目は良く仕上がってたとしても見えないところで手抜き工事をされているのです。
そして工事の金額を大幅に値下げする業者にも注意が必要です。
知識がなさそうだなと見受けて金額を上乗せして提示し、費用のことを言われたら値下げをするというやり口です。
大幅に値下げした金額を提示されたとすれば「安い!お得!」と思う方が多いですが、そこで契約を決めずに慎重になって上記でも述べたように内訳書を見て個々の費用の確認をしましょう。
もしも見積りに提示された金額が想像よりも安かったら、「なぜこの値段なのか」「それぞれの単価はいくらなのか」聞いてみましょう。
また、口頭だけでのやり取りは後に「言った」「言わない」のトラブルになることがあるので、見積書を正確に出してもらい、きちんと書面に残しましょう。
3.デザイン性・利便性を取り入れる
メリットが沢山ある土間工事ですが、見た目としては少々味気ないという点があります。
駐車スペースに打設するとなると、広範囲で周りからの視線も入りやすい場所であり、住まいの印象を左右する空間です。
そこで紹介したいのがひび割れ防止の役割がある伸縮目地が入った土間コンクリートです。
目地の本来の役割はクラック(ひび割れ)の防止です。
コンクリートは温度が上昇すると膨張し、降下すると収縮して、この膨張や収縮を繰り返しが原因でひび割れが発生します。
そこで一定間隔で目地を入れることによってこの温度変化を吸収し、ひび割れを防ぐことが出来ます。
この使用する目地の素材や配置で、土間コンクリートでもデザイン性を楽しみながらオシャレに仕上げることが出来ます。
目地にも幅広く種類があり、コンクリート専用の目地材として一般的なエキスパンタイ、やさしく温かみのある雰囲気に仕上がるタマリュウ目地、機能性に優れコストを抑えられる砂利目地など他にもいろんな種類があります。
こちらの記事も併せて読んでみてください。「土間コンクリートのひび割れ防止の伸縮目地の間隔や材料を紹介」
3-1.伸縮目地(砂利目地)によるデザイン
伸縮目地の中でもコンクリートに特化して作られた製品が「エキスパンタイ」という製品です。
ほとんどがスポンジ状になっていて、この部分でひび割れの原因となる膨張と収縮を吸収します。上部にはスポンジの変形を防ぐ補強材が入っています。目地の中でもシンプルかつスタイリッシュに仕上がります。
次にアスファルトの混合物で出来ている「エラスタイト」という製品です。厚み1cm程度で1m×1mの板状の物で、様々な形状にカットできます。
そして上記2つと比べ、見栄えが良くおしゃれな仕上がりになる「レンガ」を使用した目地。
レンガは伸縮目地のような素材ではありませんが、広い面積のコンクリートを断つことが出来るので、ひび割れを目立たせません。
カラーも幅広くあり、目地でおしゃれさを取り入れる際に活躍します。
レンガと似た素材で「ピンコロ石」という製品もよく使用されます。
10cm角程度の立方体の石材です。石表面の粗さが地面を滑りにくくする効果もあります。
正方形なので並べて形が作りやすく、曲線などのデザインも施工できます。この製品もカラーが幅広くあるので、お庭の雰囲気に合わせることが出来ます。
3-2.タイルやインターロッキング
目地でおしゃれを演出するほかに、タイル張りやインターロッキングブロックを取り入れることでまた違ったおしゃれな仕上がりになります。
まず「タイル」ですが、特徴と言えばお手入れの負担が少ないことです。
タイルは一般的に表面は撥水性の高い素材で作られているため、汚れが付着しても水などですぐに落ちるので掃除がしやすく、長い間綺麗な状態を保つことが出来ます。万が一頑固な汚れの場合でも耐久性が高いので洗剤を使いブラシで擦っても、高圧洗浄機の強い水圧で掃除をしても劣化の心配はありません。
下地にはコンクリートを使用しているので雑草が生えることもありません。
また、タイルは種類が豊富でシンプルな無地の他に、木目調や大理石、テラコッタなど多種多様のタイルがあります。幅広い種類の中から、住まいに合ったデザインを施工することが出来ます。
アプローチや玄関ポーチの他にも、上記写真のようにお庭でもタイルデッキとして取り入れることが出来ます。
次に機能性の高い「インターロッキングブロック」という製品について。
インターロッキングはブロックを組み合わせた物で、ブロックとブロックの隙間には固まる砂を目地に入れます。そのため柔軟性が高く、ブロック同士を噛み合わせていることで荷重を周りのブロックに効率よく分散することが出来るので、駐車場などにも活用されています。公園などで見かける方も多いのではないでしょうか。
そして透水性にも優れています。目地の砂に雨水が浸透し、雨水を地下に流すことで水溜まり防止となり浸水などのトラブルを防ぐことが出来ます。中には透水性に特化したブロックがあるので、お客様が求める機能に合わせて施工可能です。
また、インターロッキングブロックは照り返しが少なく、表面温度の上昇を抑える効果があります。
3-3.コンクリートの配置
導入時にどうしても費用がかかってしまう土間コンクリートの打設ですが、配置を変えることで費用を抑えることが出来ます。
駐車場の打設部分をタイヤの乗るところだけコンクリートにして、乗らない部分は芝や砂利を敷くということ。芝や砂利は土間に比べてコストが低いので、予算の節約には効果的な方法です。
費用を抑えるだけでなく、全面コンクリートにした時の圧迫感が減りスッキリとした仕上がりになります。
駐車場のみならず、車いすやベビーカーを使用されるお宅では、小さな車輪でも走行しやすいようにとアプローチなどの少ない面積に土間の配置を希望される方もいらっしゃいます。
まとめ
今回は土間コンクリートの打設について紹介しました。
コンクリートは耐久性に優れ、雑草対策にも効果的で、水はけが良いなどのメリットがありますが、施工費用が砂利などと比べて高くついてしまうというデメリットもあります。
そして土間を撤去したいとなると撤去費用がかかってしまう為、打設する際は将来のことも視野に入れ、よく考えて依頼しましょう。
業者選びもインターネットで検索すると、数多くの外構業者が出てきます。
まずはあなたの住んでいる地域などで検索をかけてみましょう。
そしてお住まいの地域が対象となる外構業者のホームページや業者紹介のページを見て、まずは業者の知識を頭に入れることが大事です。気になる業者などの施工事例や得意分野などをよく見て、あなたの想像する外構に雰囲気の合いそうな業者を選びましょう。
「土間コンクリート」と一括りにしても様々なメリットや目地の有無について、今回の記事で知識を得るお役立ちが出来ていれば光栄です。