静岡県榛原郡吉田町片岡で行った外構工事の事例:アプローチ

完成3

昨今は、高齢化社会となってきており、「バリアフリー」という言葉が様々な場面で聞かれるようになりました。

家を建てたときはデザイン性や価格で判断していたことでも、年を取り体にいろいろな障害を持つことにより、一般住宅では不便を感じることが多くなります。

その際、足腰が悪くなると必ずお世話になるのが「車椅子」です。

しかし、普通の人ならば障害にはならない砂利道であったり、小さな段差であったりする箇所に大きな不便を感じます。

そこで、このページでは玄関までのアプローチが砂利のままであった「吉田町片岡」のI様邸を例に「強度のあるアプローチの作成方法」を紹介します。これを読むことで、アプローチのデザインはもちろん、正しい工事の重要性を十分に理解できるはずです。

もくじ

お問い合わせ

ビジネスマン 受け答え

この度、I様より「バリアフリー化に伴って、隣接道路から玄関までの砂利道をコンクリートにしてほしい」というお問い合わせをいただきました。

事情をお伺いしたところ、「ご主人の足腰が大変悪く、車いすを使用したいのだが、環境・設備が備わっていないために使用できない」というお悩みを聞かせていただきました。

そこで、I様より現地写真を送っていただくと、比較的粒の大きい砂利が使用されていることが分かりました。この大粒の石のせいで、車いすでの走行には不向きな状況であることが分かりました。

またこのとき、I様からは「車いす走行のために、必要最低限の範囲のみの施工」をご希望されていました。工事費用を最小限に抑えるためです。そのため、車いすの走行・転回できる範囲のみの設計・お見積りをしました。

これらの流れは、弊社が得意とする「ネット見積り」を採用しています。

小規模工事の場合、現地確認の必要なくお見積りができることが多いからです、また弊社は、「写真では確認できなかった」などの理由で追加請求することはありません。そのため、I様にも安心してネット見積りでの対応をさせていただきました。

ちなみにI様は、弊社だけでなくホームセンターにも相見積もりを依頼していましたが、お値段・対応の違いに驚きすぐに弊社への依頼を決定してくださいました。

そして、I様と工事のご契約の運びとなります。

工事着工

掘削状況1

工事初日は晴天にも恵まれ、絶好の施工日和となりました。

まずは、アプローチの位置と高さを設定して、現状の地盤より土を削り取っていきます。

その際は、上記写真通り、ショベルカーを使用しました。

残土積み込み状況

I様邸の場合、玄関・隣接道路の関係上、アプローチコンクリート仕上がりの高さを上げることができませんでした。

そのため、コンクリートを流し込むために土を削り取り、全て処分場へと運びました。

また、上記写真真ん中付近に写っている白い枡ですが、後述します。

砕石敷き均し状況

次に、砕石(さいせき:石を適度な大きさに砕いたもの)を敷いていきます。

これの厚さは10cmが一般的であり、これによりコンクリートの重さを受け止めるための良い地盤が出来上がります。

また、砕石は土に比べて扱いやすいため、より平らにきれいに均すことができます。

砕石転圧状況

きれいに敷きならした後は、上記写真のような「プレートコンパクター」と呼ばれている転圧機械で締め固めます。振動を与えることで、隙間に砂や砂利が入り、密度が高くなっていくイメージです。

このとき、合わせて散水しより強く締め上げます。

この作業により、強い地盤が出来上がります。

IMG_1249

砕石転圧後、コンクリートをせき止めるための枠を組んでいきます。

このとき、設計図通りのアプローチが出来上がるように、寸法に気を付けて作業しました。

また、枠が真っ直ぐになるように鉄の棒を何本も打ち込み、固定しました。

その後、上記写真のように、砕石の上にワイヤーメッシュと呼ばれる「ひび割れ防止・強度確保」のための網状の鉄筋を配置していきます。

ここまでの作業を完了することにより、コンクリート流し込み前の段取りは終了です。

あとは天候を配慮し、コンクリートを流し込む日に合わせて、生コンクリート工場に注文します。

コンクリートの流し込み~完成

生コン流し込み後

後日、予定通り晴天を迎え、生コンクリートを流し込みました。

上記写真は、流し込み終了直後のものです。

ただ、この段階では、生コンクリートをきれいに均すことはできません。水気が引き、硬化し始めてからでないと、きれいな仕上がりにすることができないのです。

上記写真のように、照り返しがあるのは水気があるからです。

生コン均し状況

数時間経過すると、上記写真のように、水気が引くにつれてきれいになっていくことが分かります。

また、この際にコンクリートの角を「面引きコテ(めんひきこて)」と呼ばれるコテで、三角にしていきます。下記

コンクリートの角を落とす理由

それらの作業を行いつつ、コンクリートの表面をきれいに仕上げていきます。

このとき、I様邸の場合、車いすの走行が目的であるため、表面は「刷毛引き仕上げ(はけびきしあげ)」というホウキの刷毛目をつけました。表面をツルツルに仕上げてしまうと、雨が降った時に滑りやすくなってしまうからです。

また、刷毛引き仕上げであれば、滑り止めの効果があるのはもちろんのこと、見た目もきれいに仕上がります。

完成1

コンクリートの硬化を確認した後、枠を外しました。

その後、周りの整地・清掃を行い完成です。

最後に、上の写真右側の白い枡(ます)の設置理由ですが、アプローチを作ったことにより、排水性が下がり、右側に水が溜まってしまうことが予測できたからです。

そこで、集水桝(しゅうすいます:蓋が網状になっている水を集めるための枡)を設置して、アプローチ左側へと放流しました。

まとめ

大きな木

完成後すぐに、I様へとお引き渡しをしました。

その際には、「安心して車いすで走行できるアプローチができて良かった」「こんなにも早く対応していただけるとは思わなかった」と大変嬉しいお言葉をいただきました。

今回の工事は、I様よりお問い合わせをいただいてから引き渡しまで「1週間」でした。

天候に恵まれたことももちろんですが、I様が相見積もり(あいみつもり:他社にも見積りを依頼すること)をしていたにもかかわらず、弊社にすぐに決めてくださったので、迅速に対応することができました。

I様、この度の工事のご依頼本当にありがとうございました。

弊社が作成したアプローチは大変頑丈にできておりますので、安心してご使用ください。また、生活をしていく中で他のご不便な点がまたありましたらいつでもご相談下さい。すぐに対応させていただきます。

これからも末永くI様邸のお庭のサポートをさせてください。

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