芝生や砂利を敷くときの下地作りの秘訣:水勾配や土質を学ぶ

 

お庭に砂利を敷いたり芝生を張ったりするとき、誰しもが見栄えのみを気にします。

しかし、砂利や芝生であっても、適当に施工すると水はけが悪くなり、水たまりができてしまう可能性があります。すると、庭の湿度が高くなり、害虫がわきやすくなったり、コケやカビ、シロアリなどが発生したりしやすくなります。

このようなリスクを防ぐためには、上に敷く砂利や芝生ではなく、「下地作り」が最も重要です。

そこでこのページでは、砂利や芝生などを庭に施工する際に、下地作りがどれだけ重要なのかを解説していきます。基礎となる下地さえしっかりと作ることができれば、素人が砂利を敷いたり芝生を張ったりしても、水たまりができるようなことはありえません。

1.下地作りが重要な理由

集中豪雨が多くなってきた最近では、全国各地で水害が発生しています。

それは、大きな水害に限ったことではなく、あなたの身近な場面でも感じたことはあるはずです。

今回のテーマに関連したことで言えば、「水たまり」です。雨の日に歩く際は、水たまりを避けて歩きます。それは、誰もが足元を濡らしたくないからです。

この「水たまり」が、あなたや家族がいつも生活する自宅のお庭にできていたら不快に感じるのではないでしょうか。

たとえば、大切な愛車を水ハネで汚してしまったり、あなたの靴に泥をつけてしまったりしてしまいます。さらには、放っておくと、ボウフラなどの虫が湧くこともあり大変不衛生です。

そこで、これらを防ぐためには以下の対策が有効です。

  • 整地(せいち:土をきれいに均すこと)する
  • 砂利などを敷く
  • 排水設備を整える
  • 土をコンクリートで覆う

ただし、どの工法においても重要なポイントとなるのは、「下地作り」です。どの業界にも共通していることだと思いますが、下地がしっかりしていないと仕上がりは良くなりません。

下地が悪いと、仕上がりがデコボコになり、見た目が悪くなるばかりか水たまりができてしまう原因となります。

次の項では、砂利や芝生を敷く場合に大きなポイントとなる「下地作成について」具体的な内容を説明していきます。

2.土質を適切に判断する

※ ザルボと呼ばれる火山岩からなる土

※ ザルボと呼ばれる火山岩からなる土

砂利などを敷く際に、プロは土質を見てどのような施工にするのか判断します。

土の水はけ具合によって、適切な工事が異なるからです。

たとえば、水はけの悪い土(粘土質)の場合、住宅の周りにある排水設備(側溝や枡《ます》)に向かって雨水が流れるように地面を形成します。このように傾斜をつけることを、「水勾配(みずこうばい)をつける」といいます。

逆に水はけが良く、まったく水が溜まることが無いような土(砂質)の場合、雨水のことは気にせずに機能性やデザイン性を重視して施工します。

このように、実は、土は大きく分けると2つの種類が存在します。それぞれの性質を専門的視点から、以下にまとめます。土の性質

分かりやすく言うと、粘土質の土は「家を建てるには適しているが、水を通さない性質のため水たまりができやすく、通路などには何らかの処置が必要いうことです。

一方、砂質のものは「建築には不適だが、水たまりができにくく雨天時でも通行に支障がないということです。

ここでは、二つの極端な性質の説明をしました。これらを見分けることができれば、水たまりの対策や工事費用が見えてきます。

ただ、両方の性質のmのが混ざっていたり大小の石が混入していたりするため、判断するには経験が必要です。

3.高さの適切な設定

このページで何度も説明をしている通り、エクステリア工事では、下地作りが最も重要です。

実は、これは水はけや強度の問題だけではなく、構造物の高さにも大きな影響を及ぼします。

3-1.下地の高さがコンクリートに及ぼす影響

たとえば、コンクリートの駐車場を作成する場合、下地が悪いと生コンの厚みが薄くなったり厚くなりすぎたりしてしまいます。

さらに分かりやすく解説すると、厚み10cmのコンクリートを作成する場合、下地を10cm下げなければいけないことは理解できるはずです。しかし、下地をしっかり作っていないと、コンクリートの厚みが15cmのところが出てきたり、5cmの場所があったりするイメージです。

これでは、厚みが増す分材料費がかさみますし、薄くなれば強度を保てなくなってしまいます。

また、コンクリートの中には、鉄筋(てっきん:コンクリートの強度を補助する金属の棒)が埋め込まれているのですが、適度な厚みが無ければ意味を成しません。鉄筋は、コンクリートの中に正しい位置に配置されて初めて機能を発揮します。

つまり、下地の出来が悪いと強度の無いコンクリートになってしまい、ヒビが入ったり最悪の場合、割れたりしてしまいます。

コンクリートの他にも、下地の高さで仕上がりが変わるため、以下でさらに詳しく解説していきます。

3-2.砂利敷きの高さの設定

土の鋤取り状況

上写真は、砂利を敷く際に土を鋤(す)いた場面です。「砂利を入れる分の厚みの土を取り除いた」ということです。

このように、雨水桝(うすいます:雨水に混入する異物を一時的に溜めておくための枡)や飛び石がある場合、完成時はそれらとフラット(同じ)の高さになるよう下地の高さを調整しなくてはなりません。

もし、土を削り取って調整しなければ、枡や飛び石は砂利に埋まってしまいます。

逆に、下がっている箇所には盛土(もりど:土を盛り上げること)します。なぜここまで下地にこだわるのかと言いますと、砂利は厚く敷くと歩きずらく、薄く撒くとすぐに下地が露わになってしまい見栄えが悪いためです。

要するに、「下地で仕上がりの高さが決まってしまう」ということです。

素人の方の場合、「現状の上にそのまま砂利を撒いて下さい」とお問い合わせくださる方がいますが、仕上がりに使う材料により下地を調整しなくては施工できません。

ここまでの解説で分かる通り、雑誌やインターネットの広告で見かける「1㎡(平米)〇〇〇円で砂利を敷きます」と宣伝している業者は大変危険です。各々の敷地により条件が異なるため、行う作業は異なります。

つまり、安く施工するかわりに、手抜き工事を行っているのです。外構工事にて、定額を提示する業者には注意が必要です。

3-3.水勾配の考慮

透水性がよほど優れている土でない限り、水勾配(みずこうばい)を考慮して施工します。

水勾配とは、排水設備などに向かって、水を流すための傾斜を設けることを言います。

たとえば、水平に土をならした場合、雨天時に水が流れないため、至る所に水たまりができてしまいます。

これを防ぐために、下地作成の際に水勾配をつけます。

砂利敷きの際の下地の水勾配

上記の良い例のように施工した場合、雨水がどこへと流れていくか明確です。

砂利を敷く際、下地に防草シート(雑草を生えてこないようにするシート)を張るため、水は多少浸透しづらくなります。そこで、下地から水勾配を設けておくことで、土に浸透しづらくても水が流れていきます。

そのため、土の表面をグランドカバー(砂利や芝生)で覆う場合であっても、下地の水勾配は非常に大切です。

水勾配については、「駐車場の外構工事:水たまりができないために必要な水勾配とは」でさらに詳しく解説しているため、合わせて読んでおきましょう。

まとめ

ここまで読むと、外構工事の「下地づくり」がどれだけ重要な作業であるか分かっていただけたのではないでしょうか。

砂利敷きや芝張り、さらには土間コンクリートに至るまですべて職人技ともいえる床付け(とこづけ:土を均すこと)で仕上がりが決まるといっても過言ではありません。

また、プロが施工する砂利敷き工事は、仕上がりであったり水勾配であったりする様々な事を考慮して施工しています。

つまり、「1㎡(平米)〇〇〇円で砂利を敷ける」なんてことは有り得ません。もちろん、一概には言えませんが、これは集客するための売り文句にすぎないため、大変危険です。

優良業者であれば、それぞれの住宅に合わせて仕上がりを計画し、そこからどのような下地を作るか考えるからです。もちろん、適正価格で施工してくれるため、そもそも高額になるようなことはありえません。

もし、あなたの庭に水たまりができていた場合、適切な下地の施工が行われていないかもしれません。

その際は、信頼できる外構専門業者にお問い合わせしてみましょう。

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