雑草はどこでも成長できるほどの生命力を持っているため、対策をしておかなければすぐに庭は草だらけになり、美観を損ねてしまいます。
また、雑草が生い茂ると湿度が上がったり風通しが悪くなったりするため、蚊などの害虫がわきやすくなります。
ただ、「雑草対策をしよう」と考えても、その方法や値段など、素人では分からない事ばかりです。対策法次第で工事費用や仕上がりは大きく変動するため、確実に知っておきたい内容です。
また、雑草対策を低価格で提供している業者の中には、粗悪な工事、つまり手抜き工事をして利益を上げている悪徳業者は非常に多いです。
そのため、デザインを決めたり値段で悩んだりする前に、正しい施工をしてくれる優良業者を探す必要があります。
そこでこのページでは、弊社が行っている正しい砂利敷き工事の施工方法と、その項目ごとの金額を公開していきます。これを学ぶことで、業者に手抜き工事をされたり、雑草対策でかかる費用を最小限に抑えたりできるようになります。
もくじ
1.雑草対策として砂利敷きを検討する
ただ砂利を敷くだけで、雑草対策になると思っている方がいらっしゃいますが、これは大きな間違いです。
防草対策として施工する際は、除草剤の散布や防草シート(除草シート:雑草が生えてくるのを防ぐシート)を敷くことで初めて効果が生まれます。
つまり砂利は、シートの重しや防犯対策、さらには美観のために撒くだけということです。
そのため、砂利敷きのみでは雑草対策にならず、その下地に敷く防草シートで、雑草が生えてくるのを防ぐということを頭に入れておいてください。
補足ですが、砂利を敷くことによりなぜ防犯対策になるかというと、人が歩行した際に砂利同士が当たり、(ジャリ、ジャリという音)音がするからです。
ちなみに、防草シート(上記写真)はいろいろな種類があり、耐用年数が2~10年と幅があります。もちろん、高価なものほど効果に期待できますが、施工する庭の雑草の状況により判断します。
また、あくまでもシートであるため、破れてしまえばお終いですし、載せた砂利の上に雑草が生えることもあります。そのため、多少の草刈はあなたが行わなければならないことは承知してください。
もし、「強力な雑草対策が行いたい」「少しの雑草でも生えたら嫌だ」という方は、地面を土間コンクリート(どまこんくりーと:平らに施工したコンクリート)にすることをお勧めします。強度があるため、どんなに強い雑草にも対抗できるからです。
ただし、コンクリート工事は金額が砂利敷きの数倍掛かります。そのため、予算を気にするようであれば砂利敷きにしておくようにしましょう。
このようなことから、砂利敷き工事にて雑草対策を行い、少量の雑草が生えてきた場合、あなたが処理をするという方法がベストです。
次項から、砂利敷き工事の作業手順を解説していきます。
2.正しい施工法・手順を知る
正しい施工方法や手順を知ることは、お見積書を確認する際にとても役立ちます。
たとえば、防草シートを敷くことが明記されていなかったり、雑草が生い茂っているのにもかかわらず除草剤をまく項目が無かったりする場合、手抜き工事をされる可能性が高いです。
そこで、ここでは弊社の施工例とともに正しい施工法を紹介します。お問い合わせから実際の工事の方法、さらにはその料金の内訳までを余すところなく公開していきます。
2-1.お問い合わせ~工事の依頼
お客様より弊社に、「雑草が生えてきて困る。また、土のままなので靴が汚れてしまうから砂利を敷いてほしい」とお問い合わせがありました。
そこで、すぐに現地の写真数枚と敷地図をメールにて送っていただきました。画像や図面のみでお見積りができると判断したためです。また、「ネット見積り」により算出した金額は、実際の工事金額と異なることはありません。
弊社が、お客様に提示した金額は、32㎡(平米)で¥80,000円(税込み)でした。
お見積書提出後、お客様に納得していただいた上、正式に工事の依頼をしていただきました。
次項から、作業手順と共に丸数字を記していきます。「3.お見積書の公開」でどの作業がどの項目なのかを分かりやすくするためです。
2-2.工事着手・除草剤散布
上記写真は、工事前のものです。
写真では分かりづらいですが、建物の裏側には雑草が生えていました。
そこで、上記写真のようにあらかじめ除草剤を撒いておきました。草がより一層育ちにくい環境にするためです。
除草剤を散布せずに施工した場合、強い雑草が下から生えてくることを誰でも予想できるはずです。それを防ぐためには、欠かせない作業です。
これをお見積書では、「①除草剤散布」と記します。
2-3.草刈り
除草剤の効果が出てから、次の作業へと移ります。まず、枯れ始めている雑草を刈っていきます。
刈らずに施工した場合、シートの下でどんどん大きくなり、破れたり小さな隙間から雑草が出てきたりしてしまいます。悪徳業者の場合、草を刈らずに施工するので注意が必要です。
この作業を、見積書では「②草刈り」としています。また、草は処理しなくてはならないため、処分費もいただいています。これを「③同上処分費」と記しています。
2-4.掘削・整地
草を刈り終わった後、土の高さを調整します。これを行わなければ、砂利の厚みが均一にならないうえに、仕上がりがでこぼこになってしまうからです。
このとき、なるべく平らに均し、大きな石や異物は除去していきます。
また、水たまりができないよう水勾配(みずこうばい:水を流すための傾斜)をつけます。この作業を「④整地」と記入します。
このとき、不要になった土を残土(ざんど)と呼び、これを処分します。見積書では、「⑤残土処分」とします。
詳しくは、「芝生や砂利を敷くときの下地作りの秘訣:水勾配や土質を学ぶ」をご覧ください。下地作りの大切さが理解できるようになります。
2-5.防草シート敷き
土の上に、上記写真のような防草シートを敷き詰めます。
このとき、隙間なく敷いていき、シート同士が10cm以上重なるように施工します。シートの効果を100%発揮させるためです。この作業を「⑥防草シート敷き」と記します。
これについては、「雑草対策で活躍する除草シート(防草シート)の敷き方4工程」で分かりやすく解説しています。これを読むことで、どのようにして防草シートが敷かれているのかを理解することができます。
2-6.砂利敷き
ここまできて、ようやく防草シートの上に、砂利を敷いていきます。
砂利は、厚すぎると歩きづらくなり、薄すぎるとシートが露出してしまうことがあります。そのため、4~5cmの厚みを確保して平らに敷きならします。
このとき、下地は水勾配をつけていても砂利はなるべく平らに仕上げます。歩きやすくするためと、見栄えを良くするためです。これを「⑦砂利敷き」とします。
最後に、片付け・清掃を行い完成です。
3.砂利敷き工事の金額公開
ここまでの解説で、砂利敷き工事の内容が理解できたはずです。
ここでは、それらの内容の工事がいくらであるのか表に示します。丸数字で表した作業の数量及び、単価を公開していきます。
工事内容 | 数量 | 単価 | 金額 |
①除草剤散布 | 1式 | 10,000円 | 10,000円 |
②草刈り | 1式 | 4,000円 | 4,000円 |
③同上処分費 | 1式 | 2,500円 | 2,500円 |
④整地 | 32㎡ | 250円 | 8,000円 |
⑤残土処分費 | 1式 | 7,500円 | 7,500円 |
⑥防草シート敷き | 32㎡ | 1000円 | 32,000円 |
⑦砂利敷き | 32㎡ | 1,000円 | 32,000円 |
合計 96,000円
この度の砂利敷き工事は、上記の表のようなお見積り内容でした。これは、弊社の算出した価格となっておりますが、工事条件や面積等により大きく変動することもあります。
また、砂利敷き工事一つとっても、上記表のような多くの作業があることをご承知ください。これは、お客様に高品質なものをお届けするためです。
たとえば、「①除草剤散布」と「②草刈り」を行わなければ、14,000円安く施工できます。ただ、これを行わなければ防草対策としての砂利敷き工事ではなくなってしまい、雑草の生え方が変わってきてしまいます。
つまり、安いだけの施工業者は、行う作業を少なくしてお見積り金額を減らしています。さらには、他の作業さえも「手抜き工事」をして不当に利益を得ようとします。
たとえば、防草シートを全箇所敷き詰めなかったり、砂利の厚みを削ったりします。こうして、安かろう悪かろうの工事となってしまうことは、ここまで読んだあなたには理解できるはずです。
そこで、次項では良い業者を選び抜くポイントを解説していきます。
4.施工業者を選び抜くポイント
あなたが、大きな買い物をするとき、相見積もり(あいみつもり:複数の業者に見積りを依頼すること)をとるはずです。各社の提案内容や金額を知り、比べたいからです。
このとき、上記図のようなお見積書を目にすることはないでしょうか。
悪い例のように、細かな説明なしに「一式」という言葉だけで済まされていた場合、どのような作業をどれだけ行うかが全く分かりません。そうなると、手抜き工事をされたり数量をごまかされたりしてしまう危険性があります。
もし、仮にクレームをつけたとしても「お見積り内容に記載していないため、これ以上の作業はできない」という言葉で反論されてしまっては、それまでです。
このようなリスクを防ぐために、お見積書の確認の際は、上記図の良い例のような細かな項目まで記載してある会社を選ぶようにしましょう。
お見積書では値段だけでなく、中身(項目)の確認も重要なポイントです。これは、あなたしか判断できる人はいません。
これで、安いだけではなく質を見極めるコツが分かったはずです。もちろん、安いに越したことはありませんが、お金を払ってまで手抜き工事をされては本末転倒です。
また、質の高い工事の方が結果的に割安です。将来のメンテナンスや、やり直しなどのランニングコストがかからないからです。
そのような優良業者をあなたの目や耳で判断するようにしましょう。
まとめ
ここまで読んだあなたは、砂利敷き工事のお見積り金額について、深く理解できたことと思います。
細かな作業により、雑草の対策となる防草シートを張ることができたり、見栄えの良い砂利敷きができたりします。ここで、各業者の質に違いが出てくるので要注意です。
また、大きなポイントとして、お見積書は金額だけでなく作業内容や数量も確認することです。
前項で述べた通り、手抜き工事をされてしまう危険性があるからです。
このようなことに注意しながら、優良業者を見つけ出せば、きっとあなたの満足のいく工事ができることでしょう。
このページが、あなたのお庭づくりにお役立ちできれば幸いです。