駐車場の外構工事:水たまりができないために必要な水勾配とは

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単に外構工事(エクステリア工事)と言っても、その種類は色々あります。

例えば、駐車場やアプローチ(敷地の入り口から玄関までの路)、門扉などさまざまです。この中で、駐車場やアプローチは人が歩いたり車が乗ったりする場所であるため、平らでなければいけません。

しかし、水平にすることばかりを意識してしまうと、雨が降ったときに水たまりになってしまう可能性があります。

そのため、これらを作る際は水が流れる傾斜が必要になります。これを「水勾配(みずこうばい)」と呼びます。個人住宅に限らず、ほとんどの道路や公共施設で水たまりが無いのは水勾配があるからです。

逆にいえば、綺麗に工事をしてあるにも関わらず、雨が降ると水たまりができてしまうのは水勾配がきちんと取れていないということが分かります。

もくじ

水勾配の重要性

0000雨がやんでも水たまりが残っているということは、台風のような土砂降りの日では池のように水が溜まってしまいます。

そうなってしまうと、靴に水が入ってしまうばかりではなく、外に出ることすらままならなくなってしまいます。

このようなリスクを防ぐために、一般的には2~3%の水勾配を取る必要があります。

例えば、水勾配を2%取る場合、1mで2cm下がるように傾斜を作ります。10mある駐車場であれば20cm下がることになります。一方、水勾配が3%の場合、1mで3cm、10mで20cmということになります。

このとき、「傾斜をつけすぎなのでは?」という疑問を抱く方がいます。

しかし、水には表面張力(ひょうめんちょうりょく:水がその場に留まろうとする力)があるため、2~3%の水勾配が無ければ水たまりができてしまいます。そのため、水が流れつつも歩きやすい角度の傾斜をつける必要があります。

ただ、全ての土地が同じ形状ではないため、水勾配を取ることができない土地が存在します。

例えば、家が道路より低い場合、水を排出することができません。また、これが建物と同じ高さのだと水が流れていく場所がありません。

そのため、水勾配を考慮して設計をするためには、必ず現地調査が必要になります。

現地調査の重要性

現地調査では、建物の位置や道路との高低差を図ります。これは、構造物を設ける場所を明確にするのと同時に、水勾配も確認しています。そうでなければ、見栄えばかりで機能性が全くないものが出来上がってしまうからです。

例えば、コンクリートの駐車場で水たまりができる場合、水勾配を考えずに施工している可能性があります。

実は、コンクリートを使用した工事を行う際、設計の段階で厚みや傾斜をミリ単位で決めます。それが部十分であることに気付かずに施工してしまうと、雨上がりに水たまりができる駐車場が出来上がります。これが水たまりができてしまう理由です。

ただし、必ずしも設計通りに行くわけではありません。前述の通り、全ての土地の形状が同じとは限らないからです。

そこで、確実に水が流れるようにするため、現場にいる職人の判断で水勾配を現場で決めることがあります。これにより、設計とは違うものの、確実に水が流れる駐車場が完成します。

ただ、これは職人の長年の勘や技がなければ現場で水勾配を変更できません。豊富な経験があるからこそ、即興で判断することができるからです。そもそも、技術者としての研ぎ澄まされた目が無ければ、水勾配が確保できていないことに気付くことすらできません。

しかし、工事を依頼した業者が凄腕の職人かどうかは分かりません。

そこで、駐車場やアプローチの工事を行う際は、「水勾配はきちんと確保できていますか?」という質問を投げかけてみましょう。もし、水勾配が取れていなければ、その場で修正することができます。

構造物ができてからでは取り壊さない限り水を流れる傾斜を付けることはできないので、必ず事前に確認することをお勧めします。

このページで述べてきた通り、水たまりのできない駐車場を作るには水勾配が必要不可欠です。必ず現地調査をしてもらい、過ごしやすい庭造りを提案してもらいましょう。

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