DIYでブロックを積むための4つのポイントと10の手順

もくじ

 化粧ブロック 三島

ブロックを並べて、花壇を作ったりアクセントとして仕切りを作ったりするだけであれば、素人でも行うことができます。しかし「DIYでブロックを積みたい」と思っても、その方法や使用する道具が分からないため、断念してしまう方がほとんどです。

また、ブロックの積み方を本やインターネットを活用して調べても、DIYと書いてあるわりに難しかったり専門の道具が必要だったりして再現性が極めて低いものばかりです。

そこでこのページでは、素人でも簡単にブロックを安全に積み上げるために知っておくべき4つのポイントと10の手順を紹介します。誰でも再現できるように、専門の道具をできる限り使用せずに施工する方法を細かく解説していきます。

これをよく読むことで、ブロックに関する知識がつき、計画する際によりよいプランを考えることができます。

1.建築ブロックについて

塀 鋳物フェンス

 

ブロックは多種多様の優れもので、どこのお宅にも使われています。

コンクリートの壁に比べて、低価格で工事ができるのが大きなメリットです。

また、需要の増加に伴い様々なデザインのブロックが増えています。一昔前では、建物周りに家の目隠しのためにブロック塀が施工されたり、土留め(どどめ:土が流れないようにするための壁)として設置されたりすることが多かったのです。

しかし、今では機能性だけではなく、オシャレな製品が増えています。そのため、家の外壁に合わせたデザインにしたりアクセントとしてブロック塀を設置したりすることができます。

そこで、まずは積み方を学ぶ前に、コンクリートブロックの種類を知っておきましょう。

1-1.4種類に分けられるブロック

「コンクリートブロック」を思い浮かべた時、あなたはどのようなタイプのものを想像するでしょうか。一般的なグレーのものから、レンガのような色や模様をしているものまで幅広く存在します。

普段何気なく目にするブロックですが、どのような目的で積まれているのかを認識することで、お庭づくりの計画を立てやすくなります。

下記に、4種類のブロックについて簡単ですが説明します。

1-1-1.コンクリートブロック

CBブロック 材料写真

 

コンクリートブロックとは通称「CB」と呼ばれるもので、一番よく目にするブロックだと思います。

デザイン性には欠けるものの、非常に低単価であるため、需要のあるブロックです。また、大きさも様々な物があり多種多様のシーンで使われます。

下地ブロックの例

上記の写真は、左官塗り・石貼りする際の下地としてコンクリートブロックを使用した際のものです。

その他、地面にほとんど埋まってしまうときや、建物に隠れてしまって外観に差支えのないような場所で主に使用します。また、左官仕上げ(塗り壁)や塗装仕上げ(ペンキ塗りの壁)、さらにはタイル仕上げ(タイルや石などを貼った壁)の壁を作成する際に、下地として使用されます。

非常に万能のブロックです。

一昔前に使用されていたブロックは、ほぼ全てこの「コンクリートブロック」です。

1-1-2.化粧ブロック

化粧ブロックとは、ブロックに色や模様のついた製品のことを指します。

1-1-1で紹介したコンクリートブロックと比べ華やかな印象があるため、積むだけで見栄えの良い壁を作ることができます。そのため、人目に良くつく場所で使用されます。

例えば、花壇や建物周りの塀、さらには玄関前の目隠し壁など多種多様です。現在の住宅では、必ずと言ってもいいほど使われているブロックです。

CBブロックよりも多少高価であるものの、需要のある物はそれほど高価ではありません。

1-1-3.型枠ブロック

建設業界で型枠とは、コンクリートをせき止めるための型のことを指します。高い壁にブロックを使用したいときや、型枠を組むのに困難な場所に使用されます。

外見は同じブロックに見えますが、中の空洞が大きくなっています。強度を増すための鉄筋を細かいピッチで挿入したり、コンクリートを流し込んだりするためのものです。

通常のブロックの場合、モルタル(砂と水、セメントを適量混ぜ合わせた物)を使用して積み上げます。

一方、型枠ブロックではコンクリート(砂利と砂とセメント、水を適量混ぜ合わせた物)を使用するため、高強度の構造物を造り上げることができます。

ただ、通常のブロックよりも価格は高くなります。ブロックを積むのにかかる工事費用が高額になるためです。

ただし、前述の通り強くしっかりとしたブロック塀が出来上がります。

※コンクリートについては、「DIYで使えるコンクリートの作り方」を参照

1-1-4.装飾ブロック

穴あき化粧ブロック

装飾ブロックとは、字の通り飾りつけのためのブロックです。

上記写真のような、穴の空いた化粧ブロックやガラスブロックなど、デザイン性に富んだ物をいいます。

化粧ブロックや左官仕上げ(塗り壁)だけではくどくなってしまう際、アクセントとして使用されるケースが多いです。

ただ、おしゃれで見栄えが良い代わりに、お値段は若干高くなります。

1-2.ブロックを設置する目的とは?

kangaeruhito

ブロック積みを行う際、その用途を明確にしておく必要があります。使用する場所によって、施工方法が変わってくるからです。

また、ブロック工事の目的を明確にすることで、プランの変更を検討する時や材料を選ぶ際に役立ちます。

1-2-1.境界の塀として

土留めブロックの例

敷地の境界線(きょうかいせん:あなたのお宅の敷地と隣の家や道路との境目)に沿ってブロックを積む場合、高い塀やブロックの基礎として施工するため強度のあるブロックが望まれます。

そのため、DIYでの施工は難しく専門業者に依頼しなければなりません。

素人の方では、強くて倒れない高い塀の作成は難しいからです。

また、デザイン面では道路沿いに積むブロックの場合、見栄えの良いブロックを選ぶことをお勧めします。

そして、人目につかない場所は安いブロックを使用すると良いです。ブロックを使い分けることで、工事費用を最小限にすることができます。

1-2-2.高低差のある敷地で土留めとして

土留めブロックの例2

現場状況により異なりますが、60cm以上の土留め(どどめ:土をせき止めるための壁)として設置する際は型枠ブロックが最適です。

土圧(どあつ:土が流れようとする力)というのは、すごく強い力です。振動や雨等により土は広がろうとするため、土留めには想像を超える圧力がかかります。そのため、強度のある壁が必要になってきます。

おしゃれなお庭を作ることはもちろんのことですが、安全で安心なお庭作りが大前提です。

そのため、高額にはなりますが、高い土留めとしてブロックを積む際は、型枠ブロックを選択した方が良いです。

また、これもまた専門業者でなくては施工できません。

ブロックを積み込み、さらにコンクリートをブロックの中に流し込んでいくため高度な技術が必要になります。

もし、予算に余裕がある場合、ブロックではなく、高強度で耐久性のある擁壁(ようへき:コンクリートの壁)を設置することをお勧めします。

1-2-3.飾り壁として

飾り壁としてブロックを積む場合、好きなブロックを選択しましょう。

例えば、同じ模様で色の違う化粧ブロックを積み、壁全体に模様を付けたり、アクセントで装飾ブロックを設置したりと様々なパターンが楽しめます。

組み合わせは人によって異なるため、世界に一つだけの壁を作成することができます。

また、低く積む飾り壁の場合、DIYにてチャレンジできます。

ただ、ブロックは重量物ですから、しっかりと施工要領を覚えてから施工しましょう。無理な施工は、安全面に欠けるばかりか見栄えの悪い物になってしまいます。また、DIYでの作業はすべて自己責任となります。

1-2-4.花壇作成用として

花壇ブロックの例

 

花壇を囲うためにブロックを積む場合、デザイン性に富んだブロックを並べるとお庭がとても素敵になります。

ただ、側面があまり露出しないような場所であれば、安価なブロックを選択しても良いでしょう。

ブロック1段積みにて花壇を作成する場合、DIYにて施工することができます。ただ、前述の通り要領を覚えてから施工するようにしましょう。

1-3.ブロックの基礎について

ブロックを積み上げる際、直接地面の上に積んでいるわけではありません。

実は、ブロックの重心をなるべく低くするための「ブロックベース」の上にブロックは積まれています。

ブロックベースとは、地中に埋め込まれている鉄筋コンクリートのことを指します。この基礎の重みにより、ブロックは倒れにくく強い構造物となります。

また、ブロックベースと積み上げるブロックが一つの構造物になるように、基礎に鉄筋を挿してブロックを積み込みます。

これは、土留めや塀など、目的によって求められる強度が異なるため、同じブロック積みでも条件によって施工の価格や方法が異なります。

1-4.控え壁とは?

高いブロック塀を長く積む場合や十分なブロックベースが確保できない際に、「控え壁」と呼ばれる壁を設置します。

ブロック塀の高さが、地面から1.2mを超え長さのあるブロックを積む場合3~4m間隔で設けられます。

これにより、倒れにくい安心なブロック塀となります。

2.ブロックを積む手順

hirameita

 

DIYで積むことができるブロックは、1段積みの長さが短いブロックです。

それは、安心・安全な施工ができなくなるからです。

これを踏まえた上で、安全に尚且つ身近にDIYを楽しんでいただく意味で、ここでは花壇のブロックの積み方にフォーカスして説明していきます。

2-1.ブロックを積む場所の選定

 

まずは、どこにどのような目的でブロックを積むのかを明確にします。

今回は花壇ですので、「玄関前の空きスペースに花壇を設置する」「庭の隅が空いていて使用することが無いので小さな花壇を作成したい」などと、あなたなりのプランを立てましょう。

また、以下のことを頭に入れて下さい。

・ 下は土であるか(アスファルトやコンクリート等だと特殊な工具が必要になってしまう)

・ 日当たりはどうか(花壇として使用するため)

・ 花壇を作成することにより歩行や駐車の邪魔にならないか

・ 花壇の設置位置は、ほぼ平らであるか(斜面での作業は技術が必要です)

・ 地面は靴で踏んでも沈まない程度の硬さか

上記のことを頭に入れて、次は実際に寸法を測りながらよりリアルにイメージしていきます。そして、資材購入のためにメモ書きをしておきましょう。

2-2.資材購入

プランが完成した後、資材を購入します。

最近では、ホームセンターでトラックを貸してくれるため、車の心配はありません。

まずは、ブロックの購入ですが、数量を計算します。通常のブロックは「高さ190㎜×長さ390㎜」なので、必要本数を計算して買います。

例えば、縦1m×横2mの長方形の花壇を作る場合、合計で6m分のブロックが必要であることが分かります。なお、ブロック同士を結合させるために1cmの目地(めじ:ブロックとブロックの間に設ける間隔)を開けるため、39cmに加算して40cmで計算します。計算式は、以下のようになります。

600cm(花壇の外周の長さ)÷40cm(ブロックと目地を合わせた数字)=15丁

このように、必要な数量を事前に計算しておけば、資材の購入で迷うことが無くなります。

2-2-2.砂とセメントを購入する

砂とセメント

次に、ブロックを積むための砂とセメントです。

施工状況にもよりますが、ブロック3本につき砂20kg入り1袋必要です。また、砂3~4袋につきセメント20kg入り1袋必要です。

これらを混ぜ合わせてモルタル(砂とセメント、水を適量混ぜ合わせた物)を作ります。

2-2-2.必要な道具類を一式そろえる

ブロック購入

その他、道具一式必要な物は以下に紹介します。

・ 砂とセメントを混ぜ合わせる容器(プラ舟・一輪車など)

・ 混ぜ合わせるための道具(スコップやジョレン)

・ バケツ

・ 30cm程度の鉄筋棒(ブロックの本数分)

・ 花壇用土

・ コテ(目地用(細長い物)・金鏝)

・ ハンマー

・ 水平器

最低限これらの物があれば作業できます。

また、「DIYでの作業」を前提としているため、代用できる物があればそちらを使っても問題ありません。

2-3.ブロックを積む位置にマーキングする

汚れても構わない格好をして、手袋を着用していよいよ作業にかかります。

まず、ブロックを積むための目安のマーキングをします。

このとき、ブロックを仮に並べてみると、完成のイメージができます。ブロックを切ることなく積むための想像も明確にできます。

マーキング方法は、近くに壁などがあればそこに印をつけ、何もない場所の場合、仮に棒を打ち込み高さを決定してください。

なお、マーキングする際は、ブロックの天端(てんば:仕上げとなる上の面)に合わせるようにしましょう。

この作業により、ほぼ正確な位置や高さが明示できます。

2-4.地面を掘る

先ほどマーキングした印をもとに、地面を掘り下げていきます。

このとき、「ブロックの高さ190mm+固定するためのモルタルの厚み50mm」を、仕上がりの高さから測りながら掘り下げていきます。

また、ブロックの幅よりも50mm程度広く掘ります。より強くブロックを固めるためです。

なお、靴で踏んだだけでも沈んでしまうような軟らかい地面の場合、ある程度固い層が出てくるまで掘る必要があります。

2-5.掘り下げた面を突き固める

次は、掘った地面がほぐれてしまっているので、突き固めて硬い層を作ります。

まずは、掘り下げた面に水をまきます。

そして、そこを靴や棒などで突き固めます。このとき、専門業者での施工では、プレートやランマなどと呼ばれる転圧機で突き固めます。

ただ、今回はDIYでの施工で尚且つ1段積みの作業となるため、足で踏んだり棒で突き固めたりするだけで問題ありません。

上に載っても沈まない程度に地面が締め固まった後、次の工程に移ります。

2-6.ベースモルタルを施工する

まず、モルタルを練ります。モルタルの練り混ぜ方法については、「DIY工事で使用するコンクリート(モルタル)の作り方・活用法」を参考にしてください。

次に、練り混ぜたモルタルを、掘り下げた面に投入します。

モルタルを均す高さは、仕上がりの高さより200mm下げます。このとき、少しでも高くなってしまうと、ブロックを積むときに削り取る作業が発生してしまうため、少し下げて施工すると良いでしょう。

2-7.鉄筋を挿入する

ブロックベースから出る鉄筋

モルタルを均し終わった後に、上記写真のように鉄筋を挿入します。

ブロックの穴位置

上記の図を参考にして、ブロックの穴の位置に鉄筋を挿入してください。

この作業により、ブロックとブロックベースが一体化されて、強いブロックになります。

ここまでの作業で、初日は終了です。

2-8.ブロックを設置する

後日、ブロックベースのモルタルが硬化したことを確認してブロックを設置していきます。

まず、ブロックベースの上にブロックを並べて鉄筋の位置が間違っていないか確認します。もし、ずれていた場合、ハンマー等で叩き調整します。

次に、モルタルを練り混ぜてブロックベースの上に適量並べた後に、ブロックを乗せます。反対側も同じように、ブロックを並べたい場所の両端で行い、この二つの間に水糸(みずいと:建築用の糸で両端を引っ張ることで直線ラインを示すことができる)を張ります。

このとき、ブロックの縦方向、横方向ともに水平を確認しておきましょう。そして、張り合わせた糸を基準にして、次々とブロックを並べていきます。

並べる際、ブロックとブロックの隙間は10mm開けます。目地を均等に入れることで、強度が上がり、見栄えが良くなります。

ブロックを積む作業は、技術が必要な作業であるため、慣れるまでは少し苦労するかもしれませんが、素敵なお庭のためにがんばりましょう。

2-9.目地を詰める

すべてのブロックが並べ終わった後、目地(めじ:ブロックとブロックの間に設けてある隙間)を詰めていきます。

少し柔らかく(水の分量を多めに)したモルタルを使用します。

ブロック同士の間の穴にモルタルを入れて、しっかりと充填(じゅうてん:隙間なく詰めること)しましょう。必要以上にこぼれないように、板等で押さえて棒などで突くと良いです。

すべての穴にモルタルを詰め終えた後に、目地とブロックの上面をコテで均して完了です。

2-10.埋め戻しを行う

最後に、ブロックを積むために掘り下げた土をきれいに均します。

また、花壇用の土をブロックの中に入れて均します。

このとき、ブロックは土をこすりつけてしまうと汚れが落ちにくいため、気を付けてください。

これで作業完了です。

3.まとめ

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このページでは、「DIYでブロックを積む」という上級者のDIY作業に挑戦しました。

使用する材料や施工方法が分かれば、誰でも簡単にブロック積みを行うことができます。

ただ、ブロック塀やフェンスの支え、あるいは土留めとしてブロック積みを行う場合、DIYはお勧めできません。傾いたり崩れたりした場合、大きな事故につながる可能性があるからです。

そのため、「高度な技術が必要なブロック積みをDIYで行いたい」と考えている場合、あなただけの判断で施工してはいけません。まずは一度、専門業者に見てもらうことをお勧めします。必要であれば、プロの手を借りて一緒に作り上げるようにしてください。

もちろん、弊社(MKプランニング)は無料でお見積りをさせていただきますので、お気軽にお問い合わせください。

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