マイホームを建てる際に、外構(エクステリア)工事の予算をどのようにお考えですか。
新築工事の場合、半分くらいの方が「予算が無い」と言っています。それは、「新築の際に追加工事が発生してしまった」「家具家電が思ったよりも高価だった」などという理由のためです。
また、外構工事は住宅工事の中でも一番最後に行われる工事であり、予算を削られがちになってしまいます。
しかしながら、エクステリア工事は以下のような役割を担っています。
- あなたの大切な愛車を守ります(駐車場・カーポート・車庫等)
- 家族を高所落下から守ります(フェンス・ブロック・壁等)
- プライバシーを守ります(フェンス・塀・グリーンカーテン等)
- 防犯効果があります(門扉・防犯砂利等)
- 生活必需品の設置(ポスト・インターフォン等)
- 住宅をより引き立てます(外構工事のデザイン性)
こののように、それぞれのエクステリア工事は、安全面・機能面ともに必要不可欠な工事です。そのため、適当に工事内容を決めてしまったり、使うときのことを考えずにプランを決めたりしてしまうと、後で後悔してしまう可能性があります。
ただ、「こだわりのある庭」を作りたいと思っても、予算が無ければそれは不可能です。
そこで、少しでも工事費用を少なくするために、「DIY」を行うことをお勧めします。自分で作業を行うことにより、工事金額を大幅に減額することができます。
ただし、やみくもに素人が施工しても見た目を損ねるお庭が出来てしまうばかりか、倒壊の恐れも生じて危険です。その際には、自分で作ったお庭を壊す工事までも発生してしまいます。
このようなリスクを防ぐために、このページでは、外構工事のDIYを、どのように行えば良いのか説明していきます。これを学ぶことで、エクステリア工事の費用を抑えることができる上に、理想の庭造りを実現できるようになります。
もくじ
1.DIYでどのように工事を行えば良いのか
外構(エクステリア)工事をDIYで行う際に、雑誌を購入したりインターネットを見たりしながらやり方をチェックします。
しかしながら、簡素すぎて面白みのないものから、上級者向きの本職のようなDIYまでさまざまです。また、本などに載っているものは、明らかに大げさなDIYで手軽にできるものではありません。
一方、あまりに手軽すぎても、頑丈ではなくすぐに壊れてしまいそうな物が完成しても意味がありません。
安く工事を行おうとDIYにチャレンジしてみても、安全で高品質な物でなくては満足感は得られません。そこで、どの工事においても専門業者に「工事の一部」を依頼することをお勧めします。
そうすることで、難しい工事であっても誰でも安心して作業でき、さらには品質までも確保できます。
ここでは、エクステリア工事の中でも、DIYを取り入れやすいものにフォーカスを当てて解説していきます。
1-1.芝生張り
住宅を砂利やコンクリートのみで囲まれている場合、どうしても温かみに欠けます。
そこで、アクセントとして芝生を敷くだけで、温かみを持たせることができます。たとえ小面積であっても、ぜひお庭に取り入れたい工事です。
芝張りの施工の際のポイントは、「下地」です。
DIYでの作業も十分可能ですが、あなたの家の土質が芝生に適しているか判断できなくてはいけません。
また、土の入れ替えを行う際は、不要土の処分をしたり土や砂を搬入したりするため、専門業者でなくては難しい作業となります。
下記に、作業手順を示します。
上記の図の赤色の項目は、素人では難しい作業となっています。専用の機械が必要であったり専門知識や経験が必要だからです。
そのため、初心者には前半の作業(下地作り)は外構業者に依頼し、後半の芝張り作業はあなたが行うことをお勧めします。
専門業者が行った場合、芝生に水が溜まらないように勾配(こうばい:傾斜)を上手く考慮してくれたり、芝生と砂利等の境目にレンガや枕木を設置してくれたりします。つまり、安心で高品質なDIYができるということです。
芝生の張り方については、職人の方に聞いてみましょう。
どのようにして作業すれば良いかを丁寧に教えてくれます。本やインターネットなどで調べるよりも、リアルな情報を得ることができ、安心な作業が行えます。
1-2.花壇
お庭の空きスペースを生かして、緑やお花を取り入れましょう。
花壇の作成は、高さの低いものであれば誰でも簡単に作れます。
材料にもよりますが、レンガやブロック、枕木などを並べるだけで素敵な菜園スペースを製作することができます。
そこで、枕木による花壇作成の手順を下記に説明します。
- 枕木設置に必要な物を揃える(枕木・スコップ・砂利・かすがい(コの字型の釘)・ハンマー・のこぎり・塗装道具)
- あらかじめ枕木を保護塗料で塗装する
- 枕木設置位置を10cmほど掘り下げる
- 柔らかい土質であれば砂利を敷き良く踏み固める
- 枕木を並べ余分な部分は切る
- 枕木同士をかすがいで固定する
- 沈下を防ぐために、枕木を上からハンマーで数回強くたたく
- 埋め戻して完成
たったこれだけの作業で、オシャレな枕木製花壇を作成することができます。
また、レンガ製花壇は弊社ホームページにて詳しく説明していますので、「DIYでガーデニングを楽しめる花壇をレンガで簡単に作る」を参照ください。
花壇作成は、大きなものでなければ誰でも簡単に作成できます。ぜひチャレンジしてみましょう。
1-3.ウッドデッキ
ウッドデッキは、昨今ではインターネットなどで組み立てセットが販売されています。そのため、素人の方でも作成することが可能です。
ただし、ウッドデッキの基礎(きそ:構造物を安全に支えるためのもの)を素人が作成することは、難しいです。
なぜなら、位置・高さ、さらには強度を考慮して基礎を設置するためには、それなりの経験が必要だからです。強度が不足していると、ウッドデッキが傾いてしまったり倒壊の恐れがあります。
例えば、柔らかい地盤の上にそのまま基礎を作成してしまった場合、時間が立つにつれて沈下してしまい、ウッドデッキそのものが使用できなくなる恐れがあります。
そのようなリスクを避けるために、基礎は構造物にとってとても大切な物であることは明らかです。経験者以外の方は、専門業者に相談するようにしましょう。
なお、前述の通り、ウッドデッキの本体に関しては、組み立てキットであれば説明書通りに作業すれば問題ありません。誰でも簡単に作成できるように、作られています。
また、ウッドデッキの塗装に関しては、素人でも簡単にできます。
塗装の手順を以下に記します。
- 塗装道具を揃える(塗料・刷毛・ローラー・塗料を入れる容器・養生(ようじょう:塗料が付着しないようにすること)テープ・紙やすり等・汚れても良い恰好)
- 塗装面を掃除する(木の悪い箇所は紙やすりで擦る)
- 金具等の塗装しない箇所・基礎等を養生テープで養生する
- 塗料を良く振ってから容器に入れる
- 塗装する(乾いてからもう一度)
- 養生テープを剥がして完成
塗装のポイントは、「養生」です。ここで言う養生とは、塗料が余分な箇所につかないようにテープ等で保護することです。
養生さえしてしまえば、誰でも簡単に塗れます。しっかりと養生しましょう。
1-4.ブロック積み
上級者向けのDIY作業は、「ブロック積み」です。
なぜなら、ブロックを積む作業は技術や経験が必要だからです。また、ブロックには基礎の作成も伴うため素人には困難です。
ブロックは重量物であり、きちんとした施工ができないと、倒壊や沈下などの恐れがあります。特に、フェンス基礎などにブロックを使用した場合、フェンスの傾きの原因になったり、最悪の場合、寄りかかっていたフェンスが倒れて怪我をしてしまう危険性があります。
どうしてもDIYにてブロックを積みたい場合、基礎を外構工事専門業者へ依頼し、アドバイスをもらった上でブロック積みに挑戦するようにしましょう。
ブロック積みに関しては、「DIYでブロックを積むための4つのポイントと10の手順」で紹介しています。これを確認することで、DIYでブロックを積む方法が良く分かります。
1-5.フェンス
住宅の敷地の境目や、隣のお宅や道路面へのプライバシー対策として、フェンスを建てましょう。また、敷地内に崖になっている部分や側溝などの落下の危険性がある箇所には安全柵を設けましょう。
このとき、設置用途によりフェンスの種類を考える必要があります。
たとえば、人の目線が気になる場所には目隠しフェンスを、防犯対策のためには比較的安価なメッシュフェンス、お庭の良く目に付くところにはデザイン性重視のフェンスなど、使い分ける必要があります。
当然のことながら、どの種類のフェンスも基礎が重要です。
特に、目隠しフェンスは、その名の通り目隠しをするために隙間が少ないため、風の影響を受けやすく強度が必要です。
他の種類の物も、人が寄りかかったり子供の場合よじ登ったりすることがあるので、強度不足の施工では危険です。
基礎工事は、素人が行わずにプロに依頼しましょう。
また、手作りにてフェンスを製作することも可能です。あなたの好きなフェンス作りにチャレンジしてみましょう。
業者に基礎を作成してもらい、フェンスを作成すれば上記のようなオシャレなフェンスをDIYで作ることができます。これは弊社が基礎を作成して、塗装や取り付けはお客様が施工しました。
この記事については、「女性でもできるオシャレな目隠しフェンス工事:ハーフDIY」でご覧になれます。
1-6.その他
その他、カーポートや砂利敷き、サンルームなど様々な外構(エクステリア)工事が考えられます。
これらは素人では難易度が高いため、どの工事も素人がやみくもに施工してしまうと見た目が悪くなるばかりか、品質と安全性に欠けてしまいます。
まずは、お近くの外構専門業者にお問い合わせしてみましょう。
その際は、「DIYでの施工を検討している」と必ず伝えましょう。きっとあなたの納得のいく提案をしてくれます。
2.DIYを手伝ってくれる外構業者を探す
安全に見た目よくDIYを行うためには、プロの手を借りましょう。
せっかくDIYでお庭の工事にチャレンジしてみても、見た目が悪かったり安全性に欠けてしまっては満足感は得られません。
そればかりか、本当にひどいものだと折角作ったものを壊すことも検討しなくてはなりません。
これは実際に合った例ですが、「途中までDIYにて作業したけれど、上手くブロックが積めないので後の施工をお願いしたい」とお問い合わせをいただきました。
現地に行ってみると、半分ほど積まれたブロックが、水平ではなく斜めに積まれてしまっていて、壊さなくてはいけない状況でした。
結局、せっかく積んだブロックを全て壊し、ブロックの基礎工事を弊社が請け負い、DIYでの施工の提案をしました。
しかし、その時にはお客様の意欲が無くなってしまい、ブロック積み工事もすべて弊社が行いました。
つまり、「安く楽しくDIYでお庭づくり」をすることができなかった方の例です。
このような事例があるため、私はDIYを行う際は外構業者に手伝いを依頼することをお勧めします。
エクステリア業者によっては、「すべての工事を請け負いたい」とあの手この手で営業してきます。その際は、「基礎のみの依頼をしたい」「塗装はこちらで行います」とはっきりと伝えましょう。
ただ、ハウスメーカーや工務店などの会社は、DIYのお手伝いは行ってくれません。低価格で小規模になってしまうため、重い腰を上げてくれないからです。
外構工事をDIYで行いたい場合、地元の信頼できる専門業者を探してみましょう。
3.まとめ
現在は、DIYに関する情報や商品が、たくさん発信されるようになってきました。
ただ、作業するには経験や技術がなくては、高品質で安全なお庭づくりはできません。それほど外構工事(エクステリア工事)は奥が深いです。
「安く済ませたいから」という安易な考えで施工してしまうと、絶対に満足のいくお庭づくりはできません。
安価で済ませ、尚且つ高品質なものをどのようにすれば良いのかを専門業者に相談してみましょう。きっとあなたの満足のいくプランが建てられることでしょう。
また、外構専門業者に問い合わせの際は、必ず「DIYでの施工を検討している」と伝えましょう。